4. ネアンデルタール人のDNA




  ネアンデルタール人が、ノアの洪水以前の人種(アダムとは別系統の”人種”)であるとすれば、聖書の記述と合う。 (洞窟に骨があるなど、洪水以降にも現生人類と共存していたならば、ノアの箱舟に”動物”として、7つがいほど乗せられたのか、洪水で生き残っていたのか(これはあり得ない)、など、いくつか考えられる。) そして、4000年前の洪水の時に岩石に閉じ込められた、恐竜並みにかなり古いはずのネアンデルタール人の骨や遺物のうち、奇跡的に保存状態が良いもの(・・・ 神の摂理による)があって、それから現生人種との比較ができるほどのDNA断片の解析が行われている。




  (1) ネアンデルタール人の mt−DNA:


  ネアンデルタール人の発見の初期で、ラ・シャペローサンで発見された骨(1908年・フランス)は、くる病のために背が曲がっていたので、”原始人”の間違ったイメージが広がってしまった。 第二次大戦後にはラ・シャペローサン人の化石が再検討され、類人猿的とされた特徴は老年性の病変もしくは先入観による誤認であることが明らかとなった。ただし、基本的に狩猟中心の石器と火の文化であることには変わらない。 死者を屈葬で葬る、花は添える(イラク北部のシャニダール洞窟)が、装飾はしない。 洞窟に手形、彫刻(スペイン、エル・カスティージョ洞窟)、網目状の抽象的なパターン。(英、ジブラルタル、ゴーラム洞窟の入り口から100m、3.9万年)
  20万年前に現れ、3−4万年前に絶滅 と言われているので、4000年前の洪水後、数百年は生き延びていたのかもしれない。 クロマニヨン人と共に、気候が不安定な大洪水後の氷期に、急激な寒波により洞窟で凍死した可能性が高い。(シベリアの永久凍土のマンモスは、胃に食べたばかりの草(キンポウゲなど)がそのままある。)


  1856年8月、ドイツ・デュッセルドルフ近くの ネアンデル・タール(ネアンデル谷)の石灰岩中に、石灰岩を切り出していた労働者がこの骨を発見した。
  そして、1997年、当時ミュンヘン大学にいた遺伝学者スバンテ・ペーボらは、このネアンデルタール人の腕の骨の中のDNA断片を抽出し、ミトコンドリアDNAの378個の塩基配列の解読に成功し、現生人類と比較した。
  この腕の骨は、食用あるいは儀式に供されたと思われるように 肉がそぎ落とされていて(それゆえ雑菌によるDNAの分解や雑菌のDNAの汚染が少ない)、その数日以内に下の地面が突然崩れ、土砂もろとも地下20mの鍾乳洞に落下して、温度の安定した理想的な環境で(すぐ後の大洪水からも守られ、)土砂や粘土に囲まれ保存されていた。そのため、比較的短いミトコンドリアDNA(ヒト、高等動物: 16kbp、遺伝子37)の、一部の塩基配列(何の遺伝子も指定していないイントロンの”Dループ領域”、378bp)を特定することができたのである。(→ Dループ・482bp、C1〜C8 の系統樹の分類) 遺伝子を指定している部分は 環境要因によって淘汰されるので使えない。

  ペーボらによって2検体が測定・比較された結果は、ネアンデルタール人は完全なヒトであるが、現生人類のセム、ハム、ヤペテ間トータルの互いの変異を示す15万年の遺伝距離(7〜8文字の変異/378文字)に対し、約60万年に相当する遺伝距離(26文字/378文字)だけDNA変異の差が大きく開いている、という結果だった。(ペーボらの報告 ナショナルジオグラフィック2008 10
  (* 図の現生人のミトコンドリアDNA系統樹部分は、by.宝来氏、「DNA人類進化学」、岩波科学ライブラリー、1997 より)

  もちろん、現生人類の15万年=4000年前(洪水時)であり、それ以上の期間は考えられないので、洪水前アダムの子孫とは別の系統の”ヒト”が初めから共存していたことになる。




  (2) ネアンデルタール人の X染色体DNAと 混血の度合い:


  2010年、現生人類の全遺伝子情報が解読され(by. マックスプランク研)、さらに2011年、現生人類の非アフリカ系(Y染色体DNAハプロタイプの A、B系統以外)すべてに、このネアンデルタール人のDNA断片が 2〜3%入っていることが報告された。
  シベリアの洞窟のデニソワ人(混血)の指の骨(4万年とされる)など、いくつかのサンプルから、 X染色体の一部がネアンデルタール人由来であることがわかった。 一方、Y染色体にはネアンデルタール人由来の箇所は見つかっていない。 (by. molecular Biology and Evolution、7月号2011)
  これは、天地創造直後の最も古い時代に、アダムの子孫が ネアンデルタール人の女をめとった証拠である。ネアンデルタール人の男は165cm80kgのがっしりした体型だったが、女は150−155cmの小柄だった。

    ・・・・・・ セツ と カインの妻は誰? 誰が追放されたカインを殺そうとするのか?(創世記4:14) の答え。 聖書をよく見ると、創造時に、アダムとエバとは別の多くの人々を 神様はあらかじめ創造されていたと考えられる。(創世記1:26、27)


  また、2007年10月、ライプチヒ大グループは エル・シドロン洞窟のDNAサンプルから、赤毛・色白であったことが示された。 さらに 2014年1月(ネイチャー、サイエンス(1/29))、皮膚(POU2F3・・・東アジア人66%、BNC2・・・ヨーロッパで70%)、毛髪、病気(クローン病、不妊因子有り)などの一部共通部分を持ち、白い肌、赤毛だったと報告された。いずれもアフリカ(Y染色体のA、B系統)は0%。 D、E系統では濃度が薄い。 → ナショナルジオグラフィックニュース 

  * ネアンデルタール人由来のDNA断片:
  SLC16A11変異(2型糖尿病、脂質分解): 東アジア11%、 ヨーロッパ2%、 アフリカ(Y染色体のA、B系統)0%
  POU2F3(皮膚): 東アジア66%、アフリカ0%    BNC2(体色): ヨーロッパ70%、アフリカ0%    FOXP2(言語活動のための協調運動): アフリカ0%


  2008年、西シベリアのウスチ・イシム近くのイルティシ川の土手からの大腿骨の化石から、ネアンデルタール人の混血が2.3%あることが判明。(現生人種では最大2.1%)

  イスラエルのカルメル山の タブーン洞窟には、3.9万年前とされるネアンデルタール人の骨(女1、男の下あご1)があり、そこから200m離れた スフール洞窟には クロマニヨン人の骨(I (+R)系統・ヨーロッパ人種、男5、女2、子供3、 3万年)がある。(1924年に発見) 時代が異なるので単純な共存ではないが、洪水後も混血した可能性がある。クロマニヨン人のほうはウルム小氷期に凍死したものと考えられるが、ネアンデルタール人の死因は不明。 一般に、クロマニヨン人のほうは精密な石器や洞窟壁画がある。

  ネアンデルタール人との混血によって、ヨーロッパでは背が高く、体格が良くなったが、地中海沿岸では逆に小さくなった。(ネフィリム(創世記6:4)とは違うようである。)

    注) クロマニヨン人は現生人類の ヨーロッパ人(I + Rなど)。 一方、アウストラロピテクス、ジャワ原人、北京原人は、完全なサルであり、交配不可能であり、ヒトとサルの中間種というミッシングリンクは存在しない




  (3) ネフィリムについて:     → ネフィリムの謎


  さて、謎の多いネフィリムについて考える。 創世記6:4の「神の子」とは誰であるかによって解釈が二分される。 この「神の子」=「堕落天使」(=悪霊)ととると、「ネフィリム」の語源: ”(天から)落ちた者たち”(NPL=落ちる、堕ちる、 YM=複数)と一致するので、このように解釈するものとする。 70人訳の”巨人”という解釈は当たらないと考えられる。(・70人ギリシャ語訳 旧約聖書は誤訳が多い)
  2m以上の巨人症(脳下垂体巨人症の場合が多い)の人は、足の関節がまずやられて不自由である。 洪水前は、大気圧が2〜3気圧、酸素濃度が30%だったので、大型恐竜と共に、ある程度の大柄な人種も生息できたと考えられる。
  しかし、ネフィリムの、HPなどにある10m以上もある骨の”発掘写真”等は ほとんどすべて合成写真のいたずら、フェイク(贋作)(↓)であり、注意を要する。化石等の正式な証拠は、未だ、何一つ出ていない

  むしろネフィリムは、”多少大きめの人種”、あるいは、”知的勇者”だったと考えられる。
  これとは別に、隔世遺伝によって、”巨人症”(〜2.3m)として背の高さが現れてくる場合もある。(「ネフィリム人のアナク人」(民数記13:32、33)、ゴリアテ(Tサムエル17、申命記3:11))

 

  確かに、洪水以前のカインの末裔たちには、特別な技術や職人的能力が与えられていた。(ヤバル: 畜産業、 ユバル: 音楽家、 トバル・カイン: 金属精錬の技術) しかし、堕落天使との合いの子であるネフィリムには、特殊な、テレパシーなどの超能力や、重力を制御する高度な技術寿命を著しく伸ばす生体技術など(生殖能力は無い?)、を持っていたとしても不思議では無いと考えられる。
  洪水後の初期の文明には、”宇宙人”のうような超人的な人種(地球以外で発生した本当の宇宙人はいないが、)が空から来て、ごく初期のピラミッドなどを建設したり、文明を伝授したり、という伝承や形跡が世界各地に残されている。(ただしその後、寿命が尽きて死亡し、生殖能力が無かったため子孫は残らなかったと思われる。ただ、反重力、テレパシーなどの 特殊な技術は水面下の限られた人々によって継承され、世の終わりの時に、世界支配の手段として現れてくると考えられる。)
  墜落したUFOから、日本人のような宇宙人が出てきて、そのDNA分析から”YAP”が検出されたそうであるが、作り話のようである。

  そして、洪水前の時代には、 アダムとエバの末裔、 ネアンデルタール人、 そして このネフィリムが 共存していたと考えられる。


    

  * ネフィリムのフェイクの写真:  (資料

  




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